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1978年の9月、その時住んでいたニューヨークから米国の永住権をとるために一時帰国した。
そうしたら,ちょうどその時宮城県では新しく美術館を作る準備を始めており、日本では初めてとなる教育普及担当学芸員を探していた。宮城教育大学の三井先生のすすめで僕はその公募に応募し採用された。高校を出た時,最も遠い職業になるだろう(何しろその頃は世界的な学生運動の嵐の後で,公務員なんて最低だ)と思っていた公務員に,僕はなってしまった。
でも,仕事は面白かった。というより,周りが、若い僕が面白がって仕事ができるようにしてくれたのだと,今はわかる。凄く良い先輩と上司に,僕は恵まれたのだ。小学校以来(僕は幼稚園には行っていない)先生や先輩には恵まれている,恵まれすぎていると言っても良い。
僕は考え学び、かつ直感で、思う存分仕事をした。大学で学んだ彫刻の作り方と同じ方法で、公立の美術館における教育普及活動を考え具体的に組み立てた。今30年が過ぎようとしているが,始めた頃とやっていることや、言っていることはそんなに大きくは変わっていないはずだ。それをやる理由は深められ、他からの分析も含め理論化されたけれど,見える/やるべき実践は同じだからだ。
だいぶ古く感じることも起きて来てはいるが,その理論から作られる,僕の実践/作品は僕の時代のものなのでしょうがないのだ。この理論を使って今の人は今の実践を作ればいい。

このサイトは、もともと「おとうさんのひとりごと」という僕の自費出版(2002年)の小さい本をみんなに読んでもらうために開いた。その本は最初700部ほど刷ったのだけれど、あっという間に売り切れてしまって自分の手元にも残らなかった。しばらく絶版のままだったのだけれど、要望が多くなって2009年に500冊だけ再版した。
左の「おとひと ON THE WEB」に跳んで読むことも出来るが、紙の本で読みたいひとは今回の出版元霧生舎 kiriu_sha@bookshelf.cc にメールを入れてもらうと一冊1000円で購入することも出来る。
*kiriuとshaの間にアンダーハイフォン( _ )がはいる。注意。

今年、僕は60歳になる。美術館も開館30周年記念だ。1月31日に、仙台文庫から僕の本が出る。これまで様々な所に書いた文をまとめた物だ。お父さんのひとりごととの延長でものを考えると実践としてはこうなるという所か。