2年前のちょうど今頃、美術館でやっている鑑賞教育活動のまとめを書いていた。それは「美術探検 鑑賞」という題の小冊子になった。まだ少し残っていて、機会があるたびに配布している。ただそれは、10歳以上の人たちに対する鑑賞活動をまとめたもので、そんなに難しくはなかったのだ。10歳以下の人たちとする鑑賞活動も、「美術探検」ができてすぐ続けて書き始めてはいたのだけれど、途中で書き進められなくなった。難しいのだ。そもそも、小さい人たちとの美術館での活動自体が難しい(図工と美術は同じではないし、美術と造形も違う)のに、それを言葉で書くのは、大変に個別で個人的な活動の積み重ねになってしまいがちでまとまらない。年度末が迫り今年度中に予算を執行したいということになって、ここ暫く集中してうむうむうなりながら書いている。一応、今日脱稿。それで、これを書いている。もうすぐ3月14日だ。脳内出血から5年経った。
美術作品を使った鑑賞は、日本では、先生のお話をメモを取りながら聞く作業になってしまっているが、実際は、新しい事柄を学んだり知ったりすることではなく、すでに各自が持っている情報を縦横に使って、各自の物語を紡ぎ直す練習のようなものだ。そうならば、年齢が小さい人たちともすることができる。その人の頭の中にお話ができるだけの世界ができていればいいのだから。だから、美術館でする、小さい人たちとの鑑賞の活動は、みんなが思っているようなものとはだいぶ趣がちがってくる。というようなことを書いた。本で読む楽しみはよくわかっているつもりだが、「美術探検」も「美術館探検」もそのうちこのブログで公開したい。
相変わらず、ブログの更新は滞りがちだが、相変わらず何やかにやの毎日が過ぎている。悲観的、鬱的というのではないが、毎日が継続してすぎていきながら、しかし、いつか又突然「がんっ」ときて死んでしまうのかもしれないという念いは常にある。でも、又1年すぎる。不思議な気持ち。ま、正直真剣にちゃんと毎日生きていこう、なかなか大変だけれど。