昨日のイベントで、まず夏休み始まりまでの忙しい毎日は一応終了。これからは、基本的に公務員の毎日、っていい方が公務員に対する差別的な言い回しだな。夏になったようなのに、仙台はどうも、中途半端に気温が上がらない。蒸し暑いならまだしも、昨日は寒いぐらいだった。
この前いつ更新したのか忘れてしまっているから、昨日のイベントとは何かについて書く前に今思い出すあたりから書いておこう。7月に入ってすぐの週末、山口県立美術館に呼ばれていって、山口県の先生達と鑑賞について考えた、と言うことは報告したのだったろうか。まったく初めて会う「何描いてあるのかわからない」作品を使って、子供達とする「鑑賞」の授業について実験し、少し自信がついた。でも山口は、東北の仙台で考えているのとは、たぶん「文化度」が、善し悪しでなく、格段に違っているのかもしれないことは、忘れないようにしておこう。みんなそれぞれ違うと言うのが、美術の基本だ。
山口は遠くて、往き来に、それぞれ一日、充分にかかる。月曜に8時間かけて新幹線の車窓から現代日本の観察をしつつ帰ってきて、火曜は美術館で事務仕事を片づけ、水曜日は日帰りで東京に出かけ、9月にする学芸員研修についての打ち合わせ。全国美術館会議とは別の美術館連絡協議会という組織での活動。僕としてはやや腰が引け気味なのだが、話し合いの結果、国立近代美術館に下見無しで飛び込んで、鑑賞してみるという破天荒な活動になる。「近代の美術作品」が「美術としてみることができる展示」がしてあれば、理論的には何処ででもできるんじゃないか。面白そう、やってみよう。
7月10日に57歳になり、5年前に脳内出血をして開頭手術をした身としては、こういうふうにやったことだけを書いているだけでも、さすがに疲れてくる毎日が続いたので、11日から14日までの週末は少し早い夏休みをとった。でも、僕はその日休みだよと言うと、それでは私達と遊んでという人が聞きつけてきて、11日は運転免許の書き換え、13日は市内の子供アトリエの人たちと広瀬川で水(川)遊び。河原遊びのはずが、始まると、水泳ぎや川渡りになって、いやはや、ヒヤヒヤの日焼けの一日。何だかのんびりしたなあは、12日と14日の二日だけだった。
美術館に社会復帰してみると仙台はもう夏休みなので、休みに入る前にと、16、17日二日連続で、街の北の方の新しい団地の小学校5年生4クラスに美術探検「鑑賞」をしに、美術館のトラックに実物大作品コピーを積み、同僚の先生の運転で出かける。小学校は1時間目が8時半ぐらいから始まるので、僕は5時起き。15日は休み明けだったけれど、メンタルヘルスケア研修というのを部長になった人は受けなければいけないとのことで県庁で半日研修というのが入ったので、またまたハードな毎日が続く。18日から本格的に夏休みをとって、21日海の日まで連休。ううむ公務員だなあ。とにかくそんなことは言っていられないほど、「何もしないでぼんやり」というのをしたかったので、今回は、決心して何もしないでいた。
で、最後の21日に、いつも美術や図工の活動を一緒に考えている「トコトン、ノッツォ部会有志」の先生達(彼らも又、毎日忙しくクルクルと動き回っている小学校の先生なのだが)3人と、エッセイ「お父さんのひとりごと」の文中で「家の川」と呼ばれている山の方の秘密の沢に出かけて、一日水遊びをした。でもそういう日に限って、曇りで最高気温23度だったりするのだ、まったく。おかげで人っ子一人いず、虫も出ず、日焼けもせず、静かな、ゆったりした一日を過ごすことができた。仲間も、気心の知れた人たちだったし。14インチブラウン管テレビ大の岩が重なる山の上流の沢で、適当な部分にその石を動かして堰を造り水たまりを作る。新たな流れを作ってみたり、グラグラする大きい石の上にへっぴり腰で立って、できるだけ大きいしぶきをあげてその水たまりに飛び降りたり、お湯を沸かしてハーブティーを飲んだり、おにぎりを食べたりなんかしてると、アッという間に時間は過ぎて午後1時。大きい石も水の中で動かすと結構動くし、動かないと思った石は周りの小さい石を根気よく外していくとふわっと動く。こういうことみんな面白いの?と、始めるまでは半信半疑だったが、始まったら、みんな凄い集中で、シーンとなってしまった。号令をかけて、やめさせないと、いつまでも水の中。服びちゃびちゃだし、唇紫になってるし。そうだよなあ、年齢に関係なく面白いよなあ、こういうの。帰り近くの温泉に入って体を温め、4時には解散。心はポカポカだが、今日の僕は足と手の指の節々が痛み、右足の中指と薬指軽く捻挫、首の後側疲れてこって、腰も少し張っている。ああいう格好と活動を冷たい水の中で数時間していると、こういうところが痛む、の見本みたいだ。でも、面白かったなあ。もう少し暑い八月、もう一度行こうと思う。