2009年 9月 4日  晴れもあった曇。強い雨一時。


久しぶりに自由に使える休みの一日。朝ゆっくり起きて、豆を挽いて珈琲を入れ、洗濯機を回しつつ、キュウリサンドイッチをよくかんで食べる。着替えて自分の寝室の机の上をかたずける。読み終えて古本屋に持っていく本を選り分けながら整理整頓していったら、思わぬものが出てきた。だいぶ前に、大きすぎて手に余ってきたので友人に譲った、ツーリング用バイクの取扱説明書とパーツリストなどの小冊子。それよりもっと前、これまた別の古くからの、今は田尻に店を持つ友人に譲った、イタリア製オフロードバイクの、古いカタログとメインテナンスマニュアルや自分で作った配線図などの書類のまとめ。二つとも、きちんとプラスティックの袋に入れて、だれそれ君に持っていくこととマジックで書いてあった。その後、それらはこの机の上に置かれたまま、先に進まずそこにいた。何ということだろう。すぐに、両方ともしばらくご無沙汰の友人に電話を入れる。二人ともすぐ電話に出て話をする。二人とも、まだそのバイクを持っていてくれた。一人は田尻町に店がある。ちょっと遠い。9月中旬、僕の夏休みに入ってから訪ねる約束をする。もう一人のO川君は遠刈田に住んでいる。しかも彼は今日僕と同じに休日で家にいると言う。何かやることがあったような気もしたが、ま、いいかと午後出かける約束をする。まとめた本をブックオフに持っていき、帰りにニトリによって本箱を見る。結局自分で作った方がいいなというあたりに落ち着く。家で、カミサんと一緒におにぎりの昼飯を食べ、昼ちょうどカングーで出かける。

O川君は遠刈田の別荘地に住んでいる。別荘地は、道路が直交していなくて、何回行っても結局自分がどこにいるのかわからなくなり、今回も最終的に携帯電話を使ってしまう。今回は電話したその先を曲がったところが彼の家だった。電話でなくても声が届くくらいのところ。残念。歓迎されて、彼のカミサンも一緒に、持っていったハーブティーを飲みながら様々話をする。意識的なライフスタイルを持って生活している人たちとお話をするのは楽しい。自分の中の、様々なところが生き生きしてくる。彼らには二人の男の子がいて、もう小さくなって使えなくなった子供用BMXをkeenow用に一台譲ってもらう。まだ内緒だが嬉しい。同じ別荘地に住む、共通の美術家の友人の家に寄りながら帰ろうということになって行ってみるが不在。彼の家は、その別荘地の一番はずれの突き当たりだったのだが、再び一人で行くのは無理だなというくらいくねくね道路の奥だった。彼はカッパービーター(鍛金家)なので、回りに人気の無いところでないと、うるさいと苦情が来て作業ができないのだ。家に帰ろうかとも思ったが、このあたりまで来たのはしばらくぶりだったので、近くに住む幾人かの友人に顔を出していこうと蔵王の方へ。蔵王七日が原の熊Z家の革細工の店は今日は休み。残念。

少し戻って青根のチェンンバロ作り、K村さんちへ。林道の一番奥にあるK村さんちの駐車スペースに着くと、家の方からリコーダーの音色が響いてきた。ああ練習中だな、邪魔しないように帰ろうと、ギアをバックに入れたら、縁側のガラス戸が開いて木村さんが「齋さあん、面白いコトしてるから寄っていって」と手招きしている。いや申し訳ないと思いつつ、家に入ると、これが、いやはや大変なことになっていた。チェンバロの名人と、リコーダーをうまく吹く少年と、バロックバイオリンの男子学生とビオラダガンバを良くする女子学生の人がいて、演奏していたのだ。ただそれが、木村さん秘蔵のバロックの楽譜から面白そうなの選んで、みんな初見でアンサンブルしているという状態。演奏している人達自体がすごく乗って楽しんで演奏しているのが、聞いているこっちにジンジン伝わってくる音楽。絵に描いたような、音、楽しみ。窓から緑の木々を見ながら、こういう音を聞いていると自然に涙が出て来る。ちょっと間違って止まってここからもう一回というのも含めていつまで聞いていても嬉しい音楽。最近なかなかストレスフルな毎日で、少しヘバリ気味だったけれど、こういう休日がこういう風に終わるのは、何とも嬉しい。帰って来てカミサンの作ったうどんを食って、早く寝ようと思ったけれど、もう10時だ。